履歴書は、氏名・連絡先・学歴・職歴・資格などの基本情報を、採用担当者が短時間で確認するための書類です。職務内容や成果を詳しく説明する職務経歴書とは役割が異なります。履歴書には「事実と時系列」、職務経歴書には「経験と実績」を書く、と考えると整理しやすくなります。
1.厚生労働省の履歴書様式例を基準にする
企業から指定がない場合は、厚生労働省が公開している「履歴書様式例」が使いやすい基準です。2021年に示された様式例では、性別欄は任意記載となり、「通勤時間」「扶養家族数」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の欄は設けられていません。古い市販用紙をそのまま基準にして、応募と関係の薄い個人情報を追加する必要はありません。
パソコン作成でも問題ありません。ただし、企業が指定様式や作成方法を案内している場合は、その指示を優先します。PDFにした後は、A4で崩れず印刷できること、文字が小さすぎないことも確認しましょう。
2.日付と年月は一貫させる
和暦と西暦はどちらでも構いませんが、履歴書全体で統一します。提出日は、持参する日または郵送する日を基準にする案内が一般的です。学歴・職歴は、開始年月と終了年月を別々に管理すると、書類ごとの表記を変えても矛盾しません。
- 入学と卒業、入社と退職を一つの期間表記にまとめない。
- 終了年月が開始年月より前になっていないか確認する。
- 履歴書、職務経歴書、英語のResumeで元の年月を一致させる。
- 「現在」の扱いを在職中・在学中の状態と連動させる。
3.「ふりがな」はひらがな、「フリガナ」はカタカナ
欄の見出しに合わせて入力します。「ふりがな」と書かれていればひらがな、「フリガナ」と書かれていればカタカナです。氏名にひらがなやカタカナが含まれている場合も、読みを省略せずに記入します。
氏名 田中 美香
ふりがな たなか みか
4.住所・連絡先・写真
住所は都道府県から建物名・部屋番号まで正確に書きます。メールアドレスは継続的に確認できるものを使い、電話番号は採用期間中に連絡を受けられる番号にします。「連絡先」は現住所以外への連絡を希望するときの欄なので、同じ住所を重ねて書く必要はありません。
写真を求められた場合は、最近撮影した正面向きの証明写真を使います。オンライン応募で写真が任意なら、未設定のまま空の写真枠だけを表示するより、枠自体を出さない方が完成した書類として自然です。企業から提出条件が示されている場合は、その条件を優先してください。
5.学歴は入学と卒業を分ける
「学歴」の見出しを置き、古いものから順に書きます。高校以上は入学と卒業をそれぞれ記載し、大学は学部・学科・研究科などの正式名称まで書くと確認しやすくなります。編入学、修了、卒業見込、中途退学、在学中など、実際の状態に合う語を選びます。
2018年4月 慶應義塾大学 環境情報学部 入学
2022年3月 慶應義塾大学 環境情報学部 卒業
修了していない経歴を「卒業」と書くことはできません。経歴上説明が必要な場合でも、履歴書では事実を簡潔に示し、必要に応じて面接で補足します。
6.職歴は出来事を一行ずつ書く
「職歴」の見出しを置き、会社名は「株式会社」を含む正式名称で記載します。入社・入職、配属、異動、就任、出向、契約期間満了、退職などを、年月と対応させて一行ずつ書きます。在職中の場合は「現在に至る」、最後は右寄せで「以上」とする形式が一般的です。
2022年4月 株式会社ノーススター 入社
プロダクト部に配属
2025年7月 一身上の都合により退職
以上
担当業務を数行で補足することはできますが、成果やプロジェクトの詳細は職務経歴書へ移します。履歴書の職歴欄を長い説明文で埋めると、時系列が読みにくくなります。
7.資格・志望動機・本人希望
免許・資格は取得年月と正式名称を書きます。語学試験は級・スコア・受験年月まで示すと、情報の新しさが伝わります。勉強中の資格を書く場合は、「取得」と誤解されない表現にします。
志望動機は、応募先を選んだ理由、自分の経験との接点、入社後に提供できる価値の三点をつなげます。社名を入れ替えるだけで使える文章は避けましょう。本人希望欄には、応募判断に必要な条件だけを簡潔に書き、特別な希望がなければ企業の案内に合わせた中立的な表現にします。
提出前チェックリスト
- 提出日が最新で、和暦・西暦が統一されている。
- 「ふりがな/フリガナ」に合う文字種を使っている。
- 学校名・会社名・資格名を正式名称で書いている。
- 入学と卒業、入社と退職を別々に記載している。
- 他の応募書類と年月が一致している。
- 空の写真枠や不要な旧式項目が残っていない。
- PDFの改ページ、文字切れ、選択可能なテキストを確認した。